2024.12.3

 「無料で受けられる救命講習があるのに、わざわざ有料で申し込む価値は何か」という、テーマについてお話しします。


 私たちリーダーズ札幌は、有料と無料の講習を分けるのポイントを「講習参加の目的」「講習内容のオリジナル性」と考えています。

 具体的に言うと、「基本的な知識や技術の習得」を目的にするのなら、自治体等で提供する一般市民向けの無料講習でよいでしょう。応急手当講習は、対象者が幅広く、万人(小学校5年生~高齢者まで)に合わせるため、良くも悪くも平均的な内容になります。

 初めて講習を受けられる方に適しており、「バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)向けにまとまっています。

 一方で、「業務の特性に合わせた応急手当が知りたい」など、現場の事情に合わせた内容を求めている方(個人や事業者)や、ファーストレスポンダー(事故や急病が発生した際に、救急隊が到着するまでの間に救急の措置を行う役割を担う人)にとって必要な「基本+応用」が含まれません

 このファーストレスポンダーに関しては別の機会に詳しくお話ししますが、『職務上の対応義務』がある方向けの講習は、バイスタンダー向けの内容では不足する部分が多いのが事実です。

 

 リーダーズ札幌の「有料」講習は、受講前からスタートします! お申し込みをいただく際に受講動機(目的)やニーズについてお尋ねし、何を学ぶべきかをクリアにするところから講習づくりが始まります。無料講習を義務教育の学校制度だとすると、リーダーズは私塾スタイルかもしれません。受講者様の目的に合わせオリジナルの講習内容を組み立てます。

 さらに、経験を生んだプロ&ユーモアあふれる講師陣による座学や実技は、「知りたいことがよくわかる」「記憶に残る」なおかつ「楽しい」を心がけております。皆さんのニーズにアジャストし、ちょい深堀りの講習スタイルは決して期待を裏切りません!


「ぜひ、次も受けてみたい」、多くの方にそう言ってもらえるよう、最新知識や情報のアップデートを怠らず、講師陣はさまざまな工夫をこらした構成を日々練り上げております。


ぜひ一度、私たちの「有料」講習にお越しください!



B-2  ファーストレスポンダー(対応義務のある人)への講習


2024.12.4
 

ご存知でしたか?

救命措置において、『職務上の対応義務』があるのは医療従事者だけではありません。一般「市民」である非医療従事者の皆さんも、立場や職務によって役割と責任(安全配慮義務等)が課されることがあるんです!


以下、一般社団法人 日本救護救急学会より抜粋


ファーストレスポンダーとは、急病や事故が起こった場合に、救急車などが到着するまでに職務上で救急の措置が求められる消防職員や警察官、海上保安官、自衛官などを指していました。

 近年、生命危機に陥った際の職務上救護義務を有する者の行為と責務が求められるようになり、医療資格を有していない非医療従事者(自衛隊員、警察官、海上保安官、介護士、社会福祉士、ケアマネージャー、病院職員、学校教職員(養護教諭を含む)、保育士、駅員、警備員、ライフセーバー、登山ガイド、スポーツインストラクター、スキーパトロール、消防団など)にも同様の知識と処置がファーストレスポンダーとして求められるようになってきた。

(引用ここまで)


これらの職業に就いている場合に、適切な応急手当てを行わなかったり、管理体制が不十分だと裁判に発展し、
賠償命令等が出されるケースが増えてきました。 実際に介護や保育の現場で高額な賠償金の支払い命令がくだされたケースが多々あります。 ◇◇◇ (介護) 『90代誤嚥死に2365万円賠償判決』(PRESIDENT OnLine 〜施設職員が90代男性のゼリーの誤嚥を防ぐ義務を怠ったことなどが原因として、裁判所は介護施設に2365万円の支払いを命じた。

(保育)
ホットドッグ誤嚥で重い障害 保育所運営の市に賠償命令』(NHK NEWS WEB

3歳の男の子が保育所のおやつで出されたホットドッグをのどに詰まらせ、重い障害を負ったとして、保育所を運営する千葉県四街道市に1億円余りの賠償を命じる判決が言い渡され、両親側の弁護士が会見を開いて再発防止の必要性を訴えました。


裁判の場合、予測・予見できる事態に対しどれだけ準備していたかを問われることが多いです。具体的には、事前に救命講習を受講し知識や技術の習得をおこなったか、万が一に備えてAEDの設置や緊急時のマニュアルなどを整備していたか等、業務上の安全配慮義務が成されていたかが争点になります。 ◇◇◇
前述の日本救護救急学会はファーストレスポンダーに求められる能力を、以下のように述べています。


(重要→)
ファーストレスポンダーはただ単にファーストエイドが実施できれば良いわけではない。

 
ファーストレスポンダーには以下の能力が求められている。

 ①傷病者が発生したこと早期に認知・発見できる能力

 ②傷病者が発生した際に関係各所に通報ができ、的確な119 番通報ができる能力

 ③傷病者が発生した状況や傷病者の状態などの情報を的確に収集できる能力

 ④傷病者を適切に搬送させる能力とともに、迅速に傷病者の元に到達できる能力

 ⑤傷病者に適切な観察・ファーストエイド処置・状況判断が実施できる能力

 ⑥救急隊や医療機関に引き継ぐ際にこれら情報伝達する能力

 ⑦災害時における多数傷者への対応する能力

 ⑧ファーストレスポンダーとして正しい救急に関する法律の理解

 ⑨バイスタンダーへのケア(心的外傷)を行う能力

 ⑩ファーストレスポンダーとして持つべき医の倫理

(引用ここまで)




非医療従事者はこれら全てを網羅しなくても良いと思いますが、少なくても①〜⑥までの項目は、定期的なトレーニングを行い、習得に努めるべきだと考えます。

私たち、救命防災リーダーズ札幌は、これらの項目に対応する能力を身につける講習を提供しています‼️





B-3 次世代を担う子どもたちへの講習


2025年2月19日(水)に、市立札幌みなみの杜高等支援学校の特別授業として、救命講習(カスタム)を行ってきました。


生徒ひとりひとりに直接一次救命処置や応急手当法を伝えられる貴重な機会をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。


私たち救命防災リーダーズ札幌は、すべての子どもたちに「いのちを守る力を」と考え、北海道中の小学校・中学校・高校で防災と救命講習の授業を行いたいという願いがあります ( 子ども向け防災講座は公式HPを参照 )



その第一歩として今回、市立札幌みなみの杜高等支援学校様で授業をさせていただけたことがとても嬉しいです。


「もし、目の前で誰かが倒れたら……?」



そんな場面に遭遇したとき、子どもたちが勇気をもって行動できる世の中にしたい。


救命に関する知識や技術は、特別な人だけが持つものではなく、すべての人が身につけるべき「生きる力」です。

それは、大人だけでなく子どもも例外ではありません。

ひとりで全てをできなくても「何か一つでも救命につながる手助けができること」が大切だと考えています。



例えば、


119番通報ができること

AEDを持ってくること

胸骨圧迫(心臓マッサージ)ができること


自分にできることを一つでもできれば、大切な命を救うことにつながります。



防災も同じです。


地震や災害が発生したときに「どんなことが起きるのか」、そしてそれがわかると「どう行動すればいいのか」に繋がっていきます。

どう行動すればいいのかを知っていれば、落ち着いて命を守る行動ができます。



「いのちを守る力」を、すべての子どもたちに伝えていきたい。

それと同時に、自分の命だけでなく「救える命をみんなで救う」


そんな社会を目指しています。



生徒の皆さんがこれから生きていく中で、事故や災害等に遭遇した時に困らないように

(本当は、そのような状況にならないことが一番ですが・・)


これがご依頼くださった先生方の願いであり、私たち救命防災リーダーズ札幌の活動理念でもあります。


今日経験したことが少しでもお役に立てれば本当にうれしいです。



このような機会を頂けたことに、感謝いたします✨